新しい住宅ローン選びの形、
ユーザーに常にベストな選択を

不動産投資の透明化を実現。ユーザーの成功体験を支えるINVASE開発チーム

この記事では、MFSで活躍しているチームにお話を聞くチームインタビューとして、MFSが目指す「ユーザーが主役の金融サービス」についてお伝えします。

MFSの不動産投資サービス「INVASE」は、情報の透明性とユーザー中心の金融サービスを追求しています。

不動産投資市場は、不動産業者と一般ユーザーの間で情報の非対称性が大きく、従来の業界構造が残るレガシーな環境です。そのため、「分からない」「怖い」と感じることが多く、不動産投資に踏み出しづらい状況が続いています。MFSはこの課題を解決するため、データとテクノロジーを駆使し、適正な価格の見える化と不動産投資ローンの専門性を強みとして、不動産投資をよりアクセスしやすいものにしています。

INVASEでは、不動産投資の「買う・見直す・売る・学ぶ」というプロセスをワンストップで提供し、AIによる物件価格のモデル化や、ユーザーのキャッシュフローの可視化を実現しています。また、オンラインで完結する不動産投資を通じて、ユーザーの負担を軽減し、スムーズな投資体験を支援しています。

本日は、MFS社員の大塚さん、青木さん、渡邊さんのインタビューを通じて、その取り組みと今後の展望を紹介します。

PROFILE

プロダクト開発部 部長 大塚 裕喜

1978年群馬県出身。伊勢崎商業高等学校卒業。

30歳の時に未経験でしたがSIerの企業に入社し、現場に飛び込む形でエンジニアとしてキャリアをスタート。SIerでは7年ほど経験を積み、その後8年間フリーランスとして、主にスタートアップのWeb開発に参画し、12社でお仕事をさせて頂きました。

フリーランスの最後の2年でMFSのフロントエンドとしてジョインし、リーダーのサポートやメンバーの教育に従事して、2023年7月に社員として入社。8月から部長に就任しております。

プロダクト開発部 エンジニア 渡邊 寛之

1971年生まれ。埼玉県出身で東京情報大学を卒業。

20年ほど受託開発で組み込みからWeb開発まで幅広く担当し、その後自社開発系に転職しました。

いくつかのベンチャー企業を経て2023年にMFSにジョインし、主にフロントエンド開発中心に担当、サービスの成長に伴うSEOやセキュリティなどに着目しながらリファクタリングを推進しました。

INVASEのフロントエンドリードを経て、現在はオンライン住宅ローンサービス「モゲチェック」のフロントリードを担当しています。

プロダクト開発部 エンジニア 青木 穂高

1994年生まれ。神奈川県出身で横浜市立大学国際総合科学部を卒業。

新卒で半導体メーカーの営業職に就職後、プログラミングに興味を持ったことをきっかけに2021年4月に退職。約1年間のプログラミング学習(Ruby/Ruby on Rails)を経て、MFSに入社しました。

不動産投資サービス「INVASE」のバックエンドエンジニア(PHP/Laravel)としてエンジニアキャリアをスタート。モバイルアプリ「INVASE Pro」の内製化に伴うバックエンドのPython/Djangoによる開発を経て、2025年1月からINVASEの開発リーダーを担当しています。

趣味はバスケットボールで、エンジニアとして好きな思想はDRY、YAGNI、設定より規約、Rails wayです。

2025年4月24日

MFSが目指すユーザーが主役の金融サービス

住宅ローン・不動産投資市場の現状と課題

MFSが取り組んでいる住宅ローン・不動産投資市場の現状と課題について教えていただけますでしょうか。

大塚
不動産投資の業界は非常にレガシーで閉じた環境です。物件情報が一般ユーザーにはなかなか出回らなかったり、銀行との連携がうまくいかなかったりと、情報がオープンになりにくい状況があります。また、業界全体が古いフローのまま運営されているため、情報の非対称性が大きな課題です。
青木
そうですね。不動産って思った以上に古い動きが残っていて、実際に関わってみると意外であり面白いと感じます。国内最大級のレガシー市場と言っても過言ではないでしょう。
渡邊
そうした情報格差をAIやデータ分析で埋めていくことは、社会的な意義も大きいと思います。

そのような課題に対して、MFSはどのようにテクノロジーを活用して解決しようとしているのでしょうか?

大塚
私たちが目指しているのは、より透明で、ユーザーにとって良い条件で物件を買い、運用できる環境を作ることです。そのためにサービスを通じてユーザーが成功体験を積めるようにサポートすることが重要だと考えています。
渡邉
提供している価値は大きく二つあると思います。一つは価格の見える化です。不動産は閉じた世界で情報の非対称性があるので、妥当な価格がわかりづらい。それをAIで解決しています。もう一つは不動産投資ローンの専門性です。いくら借りられるのかを事前に計算した上で物件探しができるのは、MFSならではの強みと言えるでしょう。
大塚
私たちの目標は、ユーザーにとってフェアな値段で物件が買えて運用できる、成功体験を積んでいただくことが不可欠だと思っています。キャッシュ・フローを明確にして、ユーザーが安心して投資できる環境を作り出したいと考えています。

INVASEが切り拓く新たな不動産投資体験

不動産投資の「分からない」「怖い」を解消

INVASEが不動産投資のどんな課題をどのように解決しているのか教えていただけますか?

大塚
不動産投資というと専門性が高く、一般の方には敷居が高いイメージがありますよね。特に「何が良い物件なのか分からない」「投資して大丈夫なのか怖い」という不安を多くの方が抱えています。INVASEはそういった不安や疑問を解消することを第一の目的としています。
青木
そうですね。不動産投資において一番大きな障壁は情報の非対称性です。不動産会社や仲介業者は豊富な情報と経験を持っていますが、一般のユーザーはそうではありません。この情報格差によって、「この物件の価格は本当に妥当なのか」「将来的にどれくらいの収益が見込めるのか」といった判断が非常に難しくなっています。
渡邊
私たちのサービスは、そういった分かりにくさや怖さを「理解しやすい」「メリットを実感できる」に変えていくことを目指しています。データやテクノロジーを活用して、誰でも合理的な判断ができるよう支援する仕組みを構築しています。

INVASEはユーザーの課題解決に向けて、どんなサービスを提供しているのでしょうか?

大塚
私たちのサービスの大きな特徴は、不動産投資のライフサイクル全体をワンストップでサポートしていることです。具体的には「買う・見直す・売る・学ぶ」の4つの段階を一貫して提供しています。まず物件の購入から始まり、ローンの借り換えなどの見直し、最終的な売却まで、さらには投資を通じた学びも含めて総合的にサポートしています。
青木
通常、不動産の購入、融資、管理、売却はそれぞれ別の会社やサービスを利用する必要がありますが、INVASEではそれらをひとつのプラットフォームに統合しています。例えば、ダッシュボードでは保有物件の運用状況やローン情報をグラフでまとめて見ることができ、将来何年後に利益が上がるのかなどの予測も可視化できています。
INVASEサービスイメージ

ローンに関する高い専門性を持った不動産投資サービス

MFSの強みと、INVASEにどのように活かされているのか教えていただけますか?

青木
私たちのサービスの大きな特徴は、不動産会社ではなく金融業からスタートしている点にあります。多くの競合は不動産仲介や宅建業から始まっていますが、私たちはモゲチェックという住宅ローン比較サービスから始まっているので、ローンに関する高い専門性を持っています。
渡邊
この強みを活かして、INVASEでは借入可能額の事前計算機能を提供しています。これにより、ユーザーはまず自分がいくら借りられるのかを正確に把握した上で、その範囲内で物件を探すことができます。これは非常に重要で、物件を見つけてから融資が通らないというミスマッチを防ぐことができます。
大塚
また、通常の不動産会社だと売りたい物件があるので、買い手の属性を過度に良く見せて銀行に融資を申請するケースもあります。しかし私たちは中立的な立場で、ユーザーの実際の借入可能額を適切に査定することができ、これによりユーザーは無理のない資金計画を立てることが可能になります。
青木
さらに、物件購入後のローン管理や借り換えなどのサポートもサービス上で行っています。金利の動向に応じてより良い条件での借り換えを提案したり、複数物件の総合的なキャッシュフロー管理をサポートしたりと、投資の長期的な運用をサポートする体制が整っています。

他社にないAIアルゴリズムによる不動産価格のモデル化

不動産価格の見える化について、どのような技術やアプローチを取られているのでしょうか?

大塚
私たちは独自のプライシングモデル「Pスコア」を開発し、1年半以上前から運用しています。これは利回りシミュレーターのような機能で、場所や属性、駅からの距離、面積、築年数、所在階、マンションのブランド、月々の賃料といった情報を入力すると、内部でロジックを回して評価を行います。
青木
このPスコアによって、物件のリスク度やおすすめ度、適正価格、利回りなどを数値化しています。市場で出回っている物件の情報をAIに学習させて、その結果をもとに今買おうとしている物件や既に持っている物件の妥当性をスコアリングする仕組みです。これにより、ユーザーは客観的なデータに基づいて投資判断ができるようになります。
渡邊
私たちの強みは不動産市場の実際の取引データをもとにしたモデルを構築している点です。市場での募集価格と実際の取引価格には乖離があることが多いのですが、私たちのモデルはその差を考慮した分析を可能にしています。

インタビューとデータに基づくUX改善の取り組み

ユーザー体験向上のために、どのようなデータ活用やUX改善に取り組まれていますか?

大塚
UX改善のためのユーザーインタビューも積極的に行っています。実際に購入してもらった人や途中で離脱してしまった人など、様々なタイプのユーザーから使いやすさや使いづらさについてヒアリングしています。これらの生の声を製品開発に反映させることで、より使いやすいサービスを目指しています。
青木
データ活用という面では、Googleアナリティクスを使ったページ遷移の分析を始めています。これはまだ始めたばかりですが、ユーザーの行動をデータで表現し、どこで離脱が起きているか、どういう改善が必要かといった打ち手を検討するのに役立てています。
渡邊
ユーザーの行動データを参考にしたフォームの改善も重要な取り組みの一つですね。
大塚
はい。具体的にはINVASEでは一回の入力で全てのサービス(購入、借り換え、売却、ダッシュボード)で使えるようにしているのですが、サービスごとに必要な情報は異なります。例えばバウチャーだけなら情報は少なくても良いのですが、借入や借り換えでは詳細な属性情報が必要になります。このバランスをどうとるかが課題で、今後はサービスごとにもう少しメリハリをつけたユーザー体験にしていくことも検討しています。

不動産投資は手続きが煩雑なイメージがありますが、その点での工夫はありますか?

大塚
不動産投資における手続きの煩雑さは大きな課題の一つです。INVASEでは、仮審査や本審査に関わる情報をすべてオンラインで作成できるようにしています。これまでは紙の書類や対面での手続きが必要だったものを、デジタル化することで大幅に効率化しています。
青木
具体的には、これまでオペレーターとユーザーが1対1でチャットやメールでやり取りしていた部分を、管理画面で一元的に見られる仕組みを作っています。必要書類の一覧を表示し、何が欠けているかをお互いが視覚的に確認できるので、進捗状況が明確になり、手続きがスムーズに進みます。
渡邊
また、この仕組みはサブシステムとして切り出すことも可能で、将来的には他のサービスでも活用できる可能性があります。例えばモゲチェックでも同様の仕組みを使えるようになれば、住宅ローンの手続きもさらに簡便化できるでしょう。ただし、個人情報の管理はしっかりと行う必要があるので、セキュリティ面には細心の注意を払っています。
大塚
将来的には、APIを活用してアプリユーザーにも資料提出の機能を提供したいと考えています。アプリ上で資料提出するのは技術的に難しい部分もありますが、ウェブの機能をうまく連携させることで解決できると思います。このようにオンラインで完結する仕組みを作ることで、ユーザーの負担を大きく減らし、投資へのハードルを下げていきたいと考えています。

ユーザーへ届けたい体験

サービスを通して、ユーザーにどのような体験を提供したいと考えていますか?

大塚
私たちが最も重視しているのは、ユーザーが良い価格で物件を購入し、しっかりと運用できるようサポートすることです。不動産投資においては、購入時の価格が適正であることと、その後のキャッシュフローが安定していることが成功の鍵です。INVASEでは、この両方をデータとテクノロジーで支援しています。
青木
特に重要なのがキャッシュフローの明確化です。購入前に将来のキャッシュフローをINVASEで予測し、実際に運用してみて予測通りの収益が得られることで、ユーザーは大きな成功体験を得られます。そして一度そういった成功体験を積むと、2回目、3回目の投資に続きます。実際に何件も物件を持って運用されているユーザーも数多くいらっしゃいます。
渡邊
また、ローンの観点も重要です。他人資本で投資できるというのが不動産投資の本質で、ローン金利と運用利回りの差額が収益の源泉になります。私たちはローンの専門性を活かして、他にはない金融機関との提携を通して最適な借入条件を提案し、この差額を最大化するサポートをしています。
大塚
私達はそのために、透明性と誠実さを非常に大切にしています。過剰な期待を持たせるのではなく、リスクも含めて正確な情報を提供することで、ユーザーの皆様と長期的な信頼関係を築いていきたいと考えています。ユーザーが適切な判断をするための情報やツールを提供し、その結果として成功体験を得られるように設計しています。それがリピート利用や紹介につながり、サービスの成長にも寄与すると信じています。

フロントエンド技術が支えるINVASEのプロダクト価値

ビジネス視点で技術課題を解決するフロントエンド領域のオーナー

フロントエンドのリードエンジニアの役割について教えていただけますか?

大塚
私たちの組織ではフロントエンドのリードエンジニアは簡単に言うと、担当プロダクトのフロントエンドの技術的なオーナーとしての役割を担っています。技術選定からアーキテクチャ設計、実装方針、コーディング規約など、フロントエンド開発全体の方針を決定する役割を担います。Nuxt.jsやVue.jsなどの基本的なフレームワークだけでなく、コンポーネント設計の考え方や、パフォーマンス最適化、セキュリティ対策など、多角的な視点でフロントエンド全体の方向性を考えられることが重要です。
渡邊
そうですね。また、フロントエンドリードは他部門との窓口にもなります。ビジネスサイドの要望をただ受け入れるだけでなく、技術的な観点から実現方法を提案したり、より良い代替案を提示したりする建設的なコミュニケーションができると理想的です。「それはできない」と言うのではなく、「こういう方法なら実現できる」という提案ができる人が重宝されます。
大塚
たしかに、ビジネスの文脈を理解することも重要ですね。私たちは不動産投資という専門性の高い領域で事業を展開していますので、そのドメイン知識を積極的に吸収し、ビジネスサイドと同じ言語で会話できるようになることで、より効果的なコミュニケーションが可能になります。

エンジニアはどのように課題を探索し、解決に取り組んでいくのでしょうか?

大塚
ビジネス課題に基づいた技術課題の探索から改善までを担当してもらいたいと考えています。単に技術的に面白いことというよりも、ビジネスインパクトを出せる課題解決であることが重要です。
渡邊
そうですね。完全に技術的な観点だけで何かを進められる環境ではありません。例えば、Nuxtのアップデートを行う場合でも、「なぜそれをやるのか」という説明が求められます。もちろん、セキュリティ上の大きなデメリットがあるなど、必須の対応であればスムーズに進めることができます。
青木
例えば技術的な改善がランニングコストやバグ修正、機能追加のコストを減らせるということは、間接的にビジネスにも貢献します。なので、「これをやることでどういうビジネス価値が生まれるか」をしっかり説明できれば、技術的な改善も進めやすい環境だと感じています。
大塚
私たちは上場したばかりのスタートアップで、成長フェーズにある会社です。どこかで事業を爆発的に拡大させたいという思いがある中で、リファクタリングをしたいからといって新機能開発をストップさせるわけにはいきません。技術と事業の両方にバランス良く目配りできることが理想です。

複雑な不動産投資を直感的なUI/UXで実現

技術スタックについて教えていただけますか?特にNuxt.jsをどのように活用されているのでしょうか。

渡邊
私たちはフロントエンド開発にNuxt.jsとVue.jsを採用しています。これらのフレームワークを使うことで、複雑な不動産投資の情報やプロセスを直感的なUI/UXで表現することができています。
大塚
Nuxt.jsを選んだ理由の一つはSSR(サーバーサイドレンダリング)の機能です。これにより初期表示の速度を向上させつつ、SEO対策もしっかり行えるという利点があります。特に不動産投資のような複雑な情報を扱うサービスでは、表示速度とUXの両立が非常に重要です。
青木
また、コンポーネントベースの開発ができるのも大きな利点ですね。INVASEでは複数なサービスで似たような画面が多いので、共通コンポーネントを活用することで開発効率を高めています。ただ、共通化しすぎると柔軟性が失われるので、その辺りのバランスは常に意識しています。

プロダクトのなかで複数のサービスを提供するINVASEで、設計面で大切にしている点はありますか?

大塚
コンポーネント設計は非常に重要です。INVASEでは、バウチャー、借り換え、売却、借り入れなど複数のサービスを横断してフロントエンド開発を行っています。これらのサービスは似たような画面構成を持つことが多いので、適切なコンポーネント設計によって開発効率を高めることができます。
渡邊
現在はアトミックデザインに近い考え方でコンポーネントを設計していますが、まだ完全に理想的な状態ではなく、改善の余地があると感じています。リードエンジニアには、このような設計面でも方針を決めてリードしていってほしいですね。
青木
共通コンポーネントの設計は、ビジネス的な観点と技術的な観点の両方が必要です。もともと一つの共通コンポーネントだったものを、サービスごとに捨てやすいように疎結合にしたりするなど、柔軟な対応が求められます。コンポーネント数が増えるというデメリットはありますが、ランニングコストや機能開発コストが下がるというメリットもあります。
大塚
以前は一つの大きな共通コンポーネントの中に全てのサービスのフォームの要素が含まれていて、メンテナンスが大変でした。あるサービスだけ修正したいのに、全サービスのフォームをテストしなければならないという状況でした。そこで、サービスごとに分離することで、修正の影響範囲を限定できるようにしました。コードの美しさだけでなく、実用性とバランスを取ることが大切です。新しい要件やビジネスの変化に合わせて、当初の方針を見直し、より良い方向に修正していく判断力も必要だと思います。

フロントエンドにおけるパフォーマンス改善

フロントエンドにおけるシステムパフォーマンスについての考え方や大切にしていることを教えて下さい。

渡邊
フロントエンドにおけるパフォーマンス改善は、ユーザー体験の向上とSEO対策の両面で重要です。特に表示速度は、ユーザーの離脱率に直結する要素なので、常に意識しています。
青木
以前、インベースのマイページで表示速度が非常に遅いという問題がありました。調査してみると、APIの呼び出し量が多すぎることが原因でした。そこで、APIの呼び出しを並列処理するように改修し、大幅に表示速度を改善しました。
大塚
パフォーマンス改善はユーザー体験だけでなく、検索エンジンからの評価にも影響します。表示速度が遅いページはSEOの評価が下がりやすいので、表示速度の改善はビジネス的にも重要な取り組みだと考えています。
渡邊
また、ページごとの構造設計も重要です。適切なHTML構造やメタデータの設定によって、検索エンジンにも理解しやすいページを作ることを心がけています。特に投資関連のコンテンツは、ユーザーが検索から流入することも多いので、この点は特に注力しています。
大塚
ユーザーの動きを参考にした改善も行っています。例えば、入力情報が多いと離脱率が高くなる傾向があるので、必要最小限の情報で受け入れられるようフォームを改善するなど、データに基づいた改善を進めています。

センシティブ情報を扱うためのセキュリティへの配慮

金融や不動産に関わるサービスなので、セキュリティも重要だと思います。その面での取り組みはいかがでしょうか?

大塚
上場企業として、さらには個人の金融情報や不動産情報を扱うサービスとして、セキュリティは最優先事項の一つです。特にセンシティブな情報を扱っているため、情報漏洩のリスク管理には細心の注意を払っています。
渡邊
フロントエンド側でも、SSR(サーバーサイドレンダリング)を適切に実装することでセキュリティリスクを低減しています。ただ、SSRを使う場合は情報漏洩などのリスクもあるので適切な知見と実装が必要です。
青木
そうですね。モダンフレームワークが何のために存在し、どうやって動作しているかを理解していることが大切です。特にSSRのライフサイクルの設計は重要で、レンダリングの仕組みをしっかり理解していないと、セキュリティ面での問題が発生する可能性があります。
大塚
また、昔ながらのSSRとSPA、そしてモダンフレームワークでのSSRの違いやそれぞれの特性を理解した上で、適切な実装を行うことが求められます。フロントエンドリードには、そういった深い知見を持っていることも期待しています。
渡邊
セキュリティはビジネス的な価値に直結しないように見えるかもしれませんが、実際には非常に重要です。情報漏洩などの問題が発生すると、信頼を回復するのは非常に困難ですからね。

技術的課題への取り組みと今後

影響度の大きな技術課題の解決の取り組み状況と、今後の展望について教えてください。

青木
私たちはビジネスの成長フェーズにあるので、エンジニアとしての理想を追求するよりも、持っているものをどう活かして事業を成長させるかを優先しています。DDDなど、より良いエンジニアリング手段にこだわるフェーズはまだ先かもしれません。
大塚
今後は、移行によって得られた恩恵を活かしながら、引き続きビジネス価値の向上にフォーカスしていきます。必要に応じて技術的な負債も解消していきますが、あくまでもユーザー体験やビジネス成果への貢献を軸に考えていきたいと思います。
渡邊
また、フロントエンド技術の進化は非常に速いので、常に新しい技術や手法をキャッチアップしていくことも重要です。特にパフォーマンスやセキュリティに関わる部分は、積極的に最新の知見を取り入れていきたいですね。

フロントエンドチームのマネジメント

リードエンジニアとして、チームマネジメントにはどのような形で携わりますか?

渡邊
リードエンジニアになると、業務委託のエンジニアへのタスクアサインも重要な役割になってきます。適切なタスク配分やスケジュール管理を行うスキルも求められます。
青木
業務委託のメンバーも含めたチーム全体のパフォーマンスを最大化するのがリードの役割です。もし自分だけで全てをこなすことが難しければ、うまく業務委託メンバーに分担して、全体としての成果を出していくことが求められます。
大塚
また、社員の人事評価において、一次評価者への情報提供という役割があります。日々のパフォーマンスや技術的な成長を観察し、フィードバックする立場になりますので、人を見る目も養われると思います。
青木
また、チームをまとめる立場として、フロントエンド領域の方針を決定し、それをメンバー全員に浸透させていく役割もあります。全員が同じ方向を向いて効率的に開発を進められるよう、コミュニケーションを取ることも大切です。だからこそ、純粋なテックリードだけではなく、人をまとめる能力も求められます。純粋にコーディングだけをやりたいという方だと、少しギャップを感じるかもしれませんね。

前編は以上です。

MFSの働き方と組織カルチャーについてお伝えしている、後編はこちらからご覧いただけます。ぜひ合わせてお読みいただけましたら幸いです。

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